大阪狂想曲

大阪に出張だったんです。

後輩と二人で。

 

数年ぶりの大阪出張で仕事さておきでテンションもあがっていて、
昼前に大阪駅に着いて、じゃあ飯でも食いますかって話になって。

 

そしたら後輩が言うんです。せっかく大阪に
来たんだからお好み焼きが食いたいっすって。


まあ新大阪駅周辺なら腐る程あるっしょ?ってことで
ろくに調べずに歩き回って、最初はできればオサレな
店がいいなあ、なんて言ってみたりしてたんですが、
オサレな店どころかお好み焼きの店が無くって、
じゃあもう昔ながらの汚ったない店でも良いや、
なんて言ってはみたんですが全くお好み焼きの店が無くって、
もうこうなったらチェーン店でも良いやって、
そこまで妥協したのにやっぱりお店は何処にも無くって、
そうこうしているうちに打合せの時間なっちゃって。

 


結局、吉野家

大阪の吉野家

 

 


なんかがっかりですよ、大阪。

 


あれだけお好みを推してたから、どこにでもそれこそ
コンビニと同じくらいの感覚でお好み焼き店が
あると思っていたのに。

 

それこそ竹下通りのクレープみたいな感じで、
ティーンは歩きながらお好み焼きを食べて、
ランチは皆お好み焼き定食だと思っていたのに。

 

なんか裏切られたなぁって。
大阪、変わっちまったなぁって。

 

 

まあ、それは仕方ないとして仕事も終わったことだし、

せめて帰りは大阪らしいものを食べましょう、ってことで
お好み焼き店は諦めて、じゃあタコ焼きとビール行こっか、
ってなって、でも歩いても歩いてもタコ焼き屋も見つかんなくて。

 

ふざけんなよ、大阪って気持ちになって。

 

 

タコ焼きはソールフードとか何とか言ってるのに、

この程度かよ、って二人でやさぐれちゃって。

 


いよいよ大阪を嫌いになりそうでしたが、最後の最後、
新大阪駅でタコ焼き屋を発見したのです。

 


新大阪駅にあるって時点で期待はしてませんでしたが、
ここまで来たら味云々ではなく、大阪に来たんだっていう
気持ちに浸りたいっていう一心で行列に並びました。

 

迫る新幹線の発車時間。

 

焼き上がらないタコ焼き。

 

ほんとギリギリの戦いで後輩は諦めてかけていましたが、
粘りに粘って発車1分前で念願のタコ焼きをゲット。

 

発車10秒前に缶ビールをゲットして5秒前に滑り込みセーフ。
いやぁ〜、ほんと危なかった。

 

ほんと、マジで恋する5秒前でしたよ。

 

そんな必死の思いで入手したタコ焼きは、
とても普通の味だし、なんかフニャフニャしてるし、
9個中3個にタコが入っていないし、それってタコ焼き?
っていうシロモノでしたが、でも大阪でタコ焼きを食べたんだ
っていう思いでに浸っていて、まあ満足してた訳ですよ。

 

 

でもね、言うわけですよ。その後輩が。

 

申し訳なさそうに言うんです。

 


「先輩、満足げな所申し訳ないんですが、
 ちょっとコレ見てくださいって。」

 


で、後輩が持っていた店の紙袋を見たんです。

 

そこには店舗の一覧が載ってたんですよ。
ああ、結構手広くやってんなと思ったんです。
割と有名なチェーン店なのかなあって。

 

 

そしたらね、書いてあるんです。

 

 

 

店舗一覧の中に、愛知県下で12店舗も存在してることが。

 

しかも、内一軒は近所のアピタにあるんです。

会社から徒歩圏内のアピタに。

 

ああ、道理でみたことがあるお店だな

 

って、食ったこともあるわ。

 

 

 

 

あれほど楽しみにしていた大阪出張。



昼飯は吉野家


晩は全国チェーンのタコ焼き(しかもタコ無し)。

 

 

 

なんて日だ。